関東では「たまごサラダ」をパンにはさむ、関西では「厚焼きたまご」をパンにはさむ
関東では一般的にゆで卵をほぐしてマヨネーズと塩コショウで味付けした「たまごサラダ」をパンに挟んだものをいいます。
一方、関西では「分厚く焼き上げたたまご焼き」をパンにはさむタイプが多く見受けられます。
なかでも数年前に惜しまれつつも閉店した京都の「コロナ」という喫茶店の卵サンドは、厚み10センチ近く。
この卵サンドのために行列ができるほど圧倒的な人気を誇り、今では後継のお店がこの味を守り続けています。
そんな京都だけでなく大阪・神戸などでも、たまごサンドといえば厚いオムレツや、時にはだし巻き卵を挟んだ卵サンドが登場しております。
実は京都はパンの消費量日本一、神戸や大阪は喫茶店文化が根強く、そして全体的に関西の人はボリュームのあるものが好まれおります。
食パンでも4枚切り、5枚切りの厚さを好む「分厚いもの好き」の文化のせいかも知れません。
ふわふわのパンに、溢れんばかりの分厚い卵焼きを挟み込む。
一見くどく感じられますが、意外にその味わいは癖になるのでしょう。
このような「大阪風タマゴサンド」の発祥は、どうやら明治時代までさかのぼるらしい。
貿易港として外国人が多く逗留していた神戸を中心に、関西地方ではいち早く喫茶店の出店が相次ぎ、独自の「喫茶店文化」を築いたといいます。
その中で提供されていたメニューの1つが、オムレツを挟んだタマゴサンドでした。
現在でも、古き良き関西の喫茶店ではこの関西風タマゴサンドが提供されている所が多いようです。
※余談
大阪「天のや」のたまごサンドの「たまご」は、甘味処で出していた雑炊の出しを使った出し巻卵。
辛子マヨネーズがピリッときいて、やわらかいパンとの相性がいいらしい。
歌舞伎役者にも贔屓にされ、卵→うまれると連想されることから「アイデアがうまれる」として企画会議のお弁当にも重宝されているとか。